京都の伝統的建造物群保存地区

  
          京都市祇園新橋

文化庁が定める伝統的建造物群保存地区という地区があります。
これは昭和50年の文化財保護法の改正により発足し、城下町、宿場町、門前町など全国的に残っている街並みを保存を図るためにされたもので、
京都においても、以下のエリアが選定されています。
(これは、市町村が申出を行い、国が指定するものです。)

55 京都市上賀茂(社家町)
56 京都市産寧坂(門前町)
57 京都市祇園新橋(茶屋町)
58 京都市嵯峨鳥居本(門前町)
59 南丹市美山町北(山村集落)
60 伊根町伊根浦(漁村)
61 与謝野町加悦(製織町)

 
       伊根町伊根浦の連続舟屋

令和元年12月の時点で、全国で120地区が指定されて、それぞれの地域の成り立ちも違いますが、その特色もさまざまです。

そこに住む人の思いとかけ離れて指定された感のあるものや、テーマパーク的になっている感のものもありますが、いづれにしても厳しい基準をクリアした上で指定されており、我が国ではめずらしい街並み一体としてのデザインの保存です。

わざわざこういった制度ができたのは、明治期以降若しくは戦後の建築の制度により、街並みがあまりにも乱雑になってきたためで、景観法という法律もできたものの、都市計画法(都市という概念を日本的にどう考えるがか)が日本人の歴史思想の観点から作成されていないことに起因するものだと思います。

鉄筋コンクリート造や鉄骨造などによる新建築を建築する場合であっても、日本の文化、品格を踏襲し、発展していくべき建築に取り組みたいと思います。

(ヘリテージマネージャー)