★基本設計図から詳細設計図まで

基本設計(2フェーズ)で、一般的なディテールは想定して計画はしているものの、その建物特有のディテールを納めるには、詳細図の検討が必須です。

また、基本設計図では、例えば、柱、梁、床版など構造線もしくは仕上げ線のみの表現ですが、仕上げの種類によっては、躯体からの厚さが変わってきます。

基本設計時において、企画設計(モデリングデータ)に加えた情報に加えてさらに詳しい情報を入力して、詳細設計図を作成します。

企画設計(1フェーズ)
   ↓
・基本設計(2フェーズ)★
   ↓
・詳細設計(3フェーズ)★
   ↓
施  工(4フェーズ)

一般的には、基本設計図と詳細設計図をもって、設計図書といい、この設計図書により施工会社と契約することになります。[ 契約図面 ]
施工会社はこの設計図書をもって、請負契約を締結し、この設計図書どおりに施工する責任を負うことになります。

詳細設計図 成果図書
 (国土交通省告示98号より) 

★戸建木造住宅に係る成果図書
(1)総 合  
 ①建築物概要書  
 ②仕様書  
 ③仕上表  
 ④面積表  
 ⑤敷地案内図  
 ⑥配置図  
 ⑦平面図(各階)  
 ⑧断面図  
 ⑨立面図(各面)  
 ⑩矩計図  
 ⑪展開図  
 ⑫天井伏図  
 ⑬建具表  
 ⑭工事費概算書  
 ⑮その他確認申請に必要な図書

(2)構 造  
 ①仕様書  
 ②基礎伏図  
 ③床伏図  
 ④はり伏図  
 ⑤小屋伏図  
 ⑥軸組図  
 ⑦構造計算書  
 ⑧工事費概算書  
 ⑨その他確認申請に必要な図書

(3)設 備  
 ①仕様書  
 ②設備位置図(電気、給排水衛生及び空調換気)  
 ③工事費概算書  
 ④その他確認申請に必要な図書

(注)
1.建築物の計画に応じ、作成されない図書がある場合がある。
2.(1)~(3)までに掲げる成果図書に記載すべき事項をこれらの成果図書のうち他の成果図書に記載する場合がある。
3.「総合」とは、建築物の意匠に関する設計並びに意匠、構造及び設備に関する設計をとりまとめる設計を、「構造」とは、建築物の構造に関する設計を、「設備」とは建築物の設備に関する設計をいう。
4.別添ニ第十五号に該当する建築物については、確認申請に必要な図書のみとする。


★戸建木造住宅以外の建築物に係る成果図書
(鉄筋コンクリート造、鉄骨造など)

(1)総 合  
 ①建築物概要書  
 ②仕様書  
 ③仕上表  
 ④面積表及び求積図  
 ⑤敷地案内図  
 ⑥配置図  
 ⑦平面図(各階)  
 ⑧断面図  
 ⑨立面図(各面)  
 ⑩矩計図  
 ⑪展開図  
 ⑫天井伏図(各階)  
 ⑬平面詳細図  
 ⑭部分詳細図  
 ⑮建具表  
 ⑯工事費概算書  
 ⑰各種計算書  
 ⑱その他確認申請に必要な図書

(2)構 造  
 ①仕様書  
 ②構造基準図  
 ③伏図(各階)  
 ④軸組図  
 ⑤部材断面表  
 ⑥部分詳細図  
 ⑦構造計算書  
 ⑧工事費概算書  
 ⑨その他確認申請に必要な図書

(3)設 備  
 ⅰ)電気設備   
  ①仕様書   
  ②敷地案内図   
  ③配置図   
  ④受変電設備図   
  ⑤非常電源設備   
  ⑥幹線系統図   
  ⑦電灯、コンセント設備平面図(各階)   
  ⑧動力設備平面図(各階)   
  ⑨通信・情報設備系統図   
  ⑩通信・情報設備平面図(各階)   
  ⑪火災報知等設備系統図   
  ⑫火災報知等設備平面図(各階)   
  ⑬その他設置設備設計図   
  ⑭屋外設備図   
  ⑮工事費概算書   
  ⑯各種計算書   
  ⑰その他確認申請に必要な図書  

 ⅱ)給排水衛生設備   
  ①仕様書   
  ②敷地案内図   
  ③配置図   
  ④給排水衛生設備配管系統図   
  ⑤給排水衛生設備配管平面図(各階)   
  ⑥消火設備系統図   
  ⑦消火設備平面図(各階)   
  ⑧排水処理設備図   
  ⑨その他設置設備設計図   
  ⑩部分詳細図   
  ⑪屋外設備図   
  ⑫工事費概算書      
  ⑬各種計算書   
  ⑭その他確認申請に必要な図書  
 ⅲ)空調換気設備   
  ①仕様書   
  ②敷地案内図   
  ③配置図   
  ④空調設備系統図   
  ⑤空調設備平面図(各階)   
  ⑥換気設備系統図   
  ⑦換気設備平面図(各階)   
  ⑧その他設置設備設計図   
  ⑨部分詳細図   
  ⑩屋外設備図   
  ⑪工事費概算書    
  ⑫各種計算書   
  ⑬その他確認申請に必要な図書  
 ⅳ)昇降機等   
  ①仕様書   
  ②敷地案内図   
  ③配置図   
  ④昇降機等平面図   
  ⑤昇降機等断面図   
  ⑥部分詳細図   
  ⑦工事費概算書   
  ⑧各種計算書   
  ⑨その他確認申請に必要な図書

(注)
1.建築物の計画に応じ、作成されない図書がある場合がある。
2.(1)~(3)までに掲げる成果図書に記載すべき事項をこれらの成果図書のうち他の成果図書に記載する場合がある。
3.「総合」とは、建築物の意匠に関する設計並びに意匠、構造及び設備に関する設計をとりまとめる設計を、「構造」とは、建築物の構造に関する設計を、「設備」とは建築物の設備に関する設計をいう。
4.「昇降機等」には、機械式駐車場を含む。

★施工と工事監理

施 工(4フェーズ)

企画設計(1フェーズ)
・基本設計(2フェーズ)
・詳細設計(3フェーズ)
施  工(4フェーズ)

設計図書が完成し、施工会社との契約後は、施工(4フェーズ)に入ります。
4フェーズは工事監理業務になります。

工事監理とは、「工事を設計図書を照合し、それが設計図書どおりに実施されているかいないかを確認すること」(建築士法第2条7)をいい、「されていないと認めるときは、直ちに、工事施工者に注意を与え、工事施工者がこれに従わないときは、その旨を建築主に報告しなければならない。(建築士法第18条4)とあります。

十分に検討して設計した内容を手抜き工事をさせずきちんと施工して実現していくためのシステムです。
以下に、主な、監理内容を示します。
(国交省告示98号より)

1.工事監理方針の説明等
(ⅰ)工事監理方針の説明
(ⅱ)工事監理方法変更の場合の協議

2.設計図書の内容の把握等
(※設計者と工事監理者が異なる場合に発生します。)
(ⅰ)設計図書の内容の把握
(ⅱ)質疑書の検討

3.設計図書に照らした施工図等の検討及び報告
(ⅰ)施工図等の検討及び報告
(ⅱ)工事材料、設備機器等の検討及び報告

4.工事と設計図書との照合及び確認
5.工事と設計図書との照合及び確認の結果報告等
6.工事監理報告書等の提出