沖縄のあるプロジェクトで沖縄に滞在中、鉄筋コンクリート造の住宅を一定期間、賃借していた時期がありました。
台風の強風に頻繁にさらされるという事と、大量に発生する白蟻の被害に対する事から、現在の沖縄では、本州とは違って鉄筋コンクリート造の住宅が多くの割合を占めております。
(本州)木造:RC造 = 約 90%:約10%
であるのに対し、
(沖縄)約10%:約90%
と逆の比率になっています。
1階は車庫になったピロティ形式で、住宅部分は2階~3階になっています。吹抜けがあり、螺旋階段でつながるメゾネット、部屋は区分はあるものの内部の建具は水回り以外にはなく、住空間はすべてひとつの空間内にあります。
仕上げは、内外共にRC打放しなので、費用もかなり抑えられています。
鉄筋コンクリート造といえども、それほど費用はかかってなさそうです。坪単価、おおよそ40〜50万円ぐらいか?
図書館へ行って調べてみると、おおよそ同じような住宅は、坪単価50万円程度でつくられています。詳しく内容は記載されていませんが、やはり断熱材は施されていいないのでしょう。
プラン的にもみても、コンクリート躯体で囲まれたひとつの空間内に、家族がつつまれて、一体となる。沖縄のおだやかな気質に通じるものもあると考えられます。
本州では、断熱材は必須ですが、それを考慮してもコストは抑えることができると思います。但し、断熱性能を高めるという事は、アルミサッシ等の開口部も断熱性能の高いものとする必要があり、大きな開口窓を採用している場合は、コストを抑える効果は少なくなってきます。
ディテールにおいては、
サッシ際など、暴風雨の時に雨水が浸入してしまうなど、少し雑な部分がありましたが、大いに住み心地のよいもので、本州内部でも提案したいものを感じました。
断熱の問題、少しばかりのプライバシーやセキュリティー(沖縄ではこの感覚が低い場合が多々見られますが、都心部では大切なポイントです。)の問題を解消すれば、本州の都心近郊部でも多いに好まれる住宅であると思いました。
上部の小開口は琉球ガラスのFIX
コストを下げることによっても、鉄筋コンクリート住宅の採用も選択の視野に入ります。