④. 旧市街地型美観地区

歴史的市街地内において、生活の中から生み出された特徴ある形態意匠を有する建築物が存し、趣のある街並みの景観を形成している地域を指定している。

地区別方針
伝統文化や生活文化により培われた京町家を残す趣のある旧市街地にありながら,現代の都市活動が展開しており,京町家を中心とする和風を基調とした町並みを尊重しつつ,現代建築物が共存する景観を形成することを基本方針としています。

西陣、御所周辺 、鴨東 、鴨川、二条城周辺、職住共存地区、本願寺周辺 、伏見エリアで指定されています。

< デザイン基準 >

◆ 京町家等の歴史的建造物との調和
◆ 良好な屋上景観を形成
◆ 通り景観の連続性を維持

(例)低層建築物の基準
屋根
・特定勾配屋根(原則として軒の出60cm 以上)とする。
・原則として塔屋等を設けない。
・根材は,日本瓦,金属板又はその他の材料で当該地区の風情と調和したもの
軒庇
・道路に面する1、2階の外壁に軒庇を設置
(原則として特定勾配を持ち,軒の出 60cm 以上)
外壁
・ 歴史的町並み等と調和した形態意匠
・ 道路に面する3階以上の壁面後退(1 階壁面より原則として90cm以上)
・ 歴史的町並みと調和する色彩
その他
・道路に面する駐車場等の空地に対する門塀等による修景

エルベコート豊中服部ー幹線道路沿いに建つ集合住宅

〜 車両の通行量の多い幹線道路に対する策


      西側立面

ワンルーム等40戸からなるマンションです。
建物の配置は、2方向道路という敷地の特性を活かして、交通量の多い幹線道路からできるだけ離隔をとって1階部分は店舗とその駐車スペースとし、反対の道路側は最寄り駅(駅まで550m)へのアプローチとなるマンションのエントランスがあります

住空間は2階以上で、階高 2.81mとして
西側には 3.7m × 8.11m 2戸を2階から8階に、
東側には 3.5m × 8.58m 4戸を2階から7階に、
8階にはルーフバルコニー付きの住戸が2戸
が配置されています。



都市空間にある住空間として、
利便性は確保しつつも、できるだけ喧噪をさけ、かつ商業性にも配慮したつもりです。

住宅のかたち(鉄筋コンクリート造02)

いわずと知れた住吉の長屋
建築家 安藤 忠雄氏の初期の作品です。
(1976 大阪)

雨の日は傘をささなければ、トイレにも行けない。とか設計者の横暴だとか、かつてはいろいろ揶揄される事が多かったようですが、この住宅を実際に体験すると、空間の豊かさに感嘆させられます。

中庭は、外部から完全にプライバシーが保たれた空間でありながら、空という無限遠まで解放され、自然光が十分に注ぎ込む。
視覚的効果が計算され尽くされ、間口は躯体芯で3.3mと2間にも満たないが、圧迫感は感じさせられない。

玄関を入ると、あたかもポーチに入ったようですが、実は外部空間で屋根がなく、見上げると空へトンネル状になってます。閉塞感のあるポーチを曲がって戸内に入ると、部屋(リビング)の向こうに、光が差し込む中庭が見えます。
その中庭の向こうにはダイニング。

敷地の長手方向は、リビングエリア、中庭エリア、ダイニング水廻りエリアで4.7mずつ3分割され、合計で14.1mです。
長手方向を見通せれることによって、かつ、空へのアプローチもあり、開放的であり、自然と一体になれるような感覚を得ることができます。

住宅のかたち(鉄筋コンクリート造01)

沖縄のあるプロジェクトで沖縄に滞在中、鉄筋コンクリート造の住宅を一定期間、賃借していた時期がありました。

台風の強風に頻繁にさらされるという事と、大量に発生する白蟻の被害に対する事から、現在の沖縄では、本州とは違って鉄筋コンクリート造の住宅が多くの割合を占めております。
(本州)木造:RC造 = 約 90%:約10%
であるのに対し、
(沖縄)約10%:約90%
と逆の比率になっています。


1階は車庫になったピロティ形式で、住宅部分は2階~3階になっています。吹抜けがあり、螺旋階段でつながるメゾネット、部屋は区分はあるものの内部の建具は水回り以外にはなく、住空間はすべてひとつの空間内にあります。
仕上げは、内外共にRC打放しなので、費用もかなり抑えられています。
鉄筋コンクリート造といえども、それほど費用はかかってなさそうです。坪単価、おおよそ40〜50万円ぐらいか?

図書館へ行って調べてみると、おおよそ同じような住宅は、坪単価50万円程度でつくられています。詳しく内容は記載されていませんが、やはり断熱材は施されていいないのでしょう。



プラン的にもみても、コンクリート躯体で囲まれたひとつの空間内に、家族がつつまれて、一体となる。沖縄のおだやかな気質に通じるものもあると考えられます。

本州では、断熱材は必須ですが、それを考慮してもコストは抑えることができると思います。但し、断熱性能を高めるという事は、アルミサッシ等の開口部も断熱性能の高いものとする必要があり、大きな開口窓を採用している場合は、コストを抑える効果は少なくなってきます。

ディテールにおいては、
サッシ際など、暴風雨の時に雨水が浸入してしまうなど、少し雑な部分がありましたが、大いに住み心地のよいもので、本州内部でも提案したいものを感じました。

断熱の問題、少しばかりのプライバシーやセキュリティー(沖縄ではこの感覚が低い場合が多々見られますが、都心部では大切なポイントです。)の問題を解消すれば、本州の都心近郊部でも多いに好まれる住宅であると思いました。


上部の小開口は琉球ガラスのFIX

コストを下げることによっても、鉄筋コンクリート住宅の採用も選択の視野に入ります。

★自分の家の性能を知る

住宅性能評価(Housing performance evaluation

  1. 構造の安定に関すること
    1-1 耐震等級(倒壊防止)
    1-2 耐震等級(損傷防止)
      等級3 等級1×1.5
      等級2 等級1×1.25 
      等級1 基準法レベル
    1-3 その他(免震構造)
      規定の免震装置があるもの   
    1-4 耐風等級
    1-5 耐積雪等級(積雪地域のみ) 
      等級2 等級1×1.2
      等級1 基準法レベル
    1-6 地盤又は杭の許容支持力及びその設定方法
    1-7 基礎の構造方法及び形式等

2.火災の安全
 2-1 感知警報装置設置等級(自住戸)
   自住戸内の火災感知のしやすさ

 2-2 感知警報装置設置等級(他住戸) 
   他住戸火災の感知のしやすさ

 2-3 避難安全対策          
  排煙形式・共用廊下平面形状(耐火等級)

 2-4 脱出対策
   避難器具の設置など

 2-5 耐火等級(延焼ライン内の開口部)
   等級3・・特定防火設備のみである
   等級2・・防火設備以上である

 2-6 耐火等級(開口部以外)

 2-7 耐火等級(界壁、界床)

3.劣化の軽減に関すること
 3-1 劣化対策等級
  等級3・大規模改修まで75〜90年程度
  等級2・大規模改修まで50〜60年程度
  等級1・・ ー

4.維持管理・更新(配管の維持・リフォーム等のしやすさ)
 4-1 維持管理対策等級(共用配管) 
 4-2 維持管理対策等級(専用配管) 
 4-3 更新対策(共用排水管)
   等級3 特別の措置
   等級2 基本的措置 
   等級1  ー    
 4-4 更新対策(住戸専用部)
  専用部の間取り変更が容易であるか?
  (天井高等を明記)

5.温熱環境・エネルギー消費量
 5-1 断熱等性能等級
  等級4 住宅金融公庫次世代省エネ基準
  等級3 住宅金融公庫新省エネ基準
  等級2 住宅金融公庫旧省エネ基準
  等級1  ー
 5-2 一次エネルギー消費量等級

6.空気環境(シックハウス対策・換気)
 6-1 ホルムアルデヒド対策
      内装材    天井裏等
  等級3 F☆☆☆☆  F☆☆☆☆   
  等級2 F☆☆☆以上 F☆☆☆以上  
  等級1 F☆☆以上  ー
 6-2 換気対策
  台所、便所、浴室について
機械換気の有無、換気用窓の有無
 6-3 室内空気中の化学物質の濃度等

7.光・視環境
 7-1 単純開口率(%)   
  関口部面積合計/居室床面積
 7-2 方位別関口比(%)  
  各方位の開口面積/全開口部面積合計

8.音環境(遮音対策)※選択項目
  上下階の音の評価は床版厚さによる
  スラブ厚さは厚い方が有効であるが、
  測定による評価も可能。

 8-1 重量床衝撃音対策(下記のどちらか)
 イ)重量床衝撃音対策等級
   等級5 Li,r,H−50等級相当以上
   等級4 Li,r,H−55等級相当以上
   等級3 Li,r,H−60等級相当以上
   等級2 Li,r,H−65等級相当以上
   等級1 その他
   レベルが低い方がよい。
  ※最高等級と最低等級を併記
 ロ)相当スラブ厚
   実際のスラブ厚さを記入する方法
   27㎝、20㎝、15㎝、11cm、その他
  ボイドの場合は通常スラブ厚さに換算
  (増打等は含まず)
  ※最高の厚さと最低厚さを併記

 8-2 軽量床衝撃音対策(下記のどちらか)
  構造方法と仕上げで評価する

 イ)軽量床衝撃音対策等級
   等級5 Li,r,L−45等級相当以上
   等級4 Li,r,L−50等級相当以上
   等級3 Li,r,L−55等級相当以上
   等級2 Li,r,L−60等級相当以上
   等級1 その他
  ※最高等級と最低等級を併記

 ロ)軽量床衝撃音レベル低減量
   30dB,25dB,20dB,15dB,その他
  ※最高と最低を併記

 8-3 透過損失等級(界壁)
   等級4 Rr-55等級相当以上    
   等級3 Rr-50等級相当以上 
   等級2 Rr-45等級相当以上  
   等級1 基準法に定めるレベル

※以上、共同住宅に適用される

  8-4 透過損失等級(外壁・関口部)
   等級3 T—2以上 
   等級2 T—1以上
   ー  

9.高齢者等への配慮
 9-1 高齢者等配慮(専用部分)等級1〜5
   住戸内での配慮
   段差、扉や廊下の巾、階段等の寸法、手すりの有無など
 9-2 高齢者等配慮(共用部分)等級1〜5
   共用部(廊下・階段・EV等)
   段差、扉や廊下の巾、階段等の寸法、手すりの有無など

10.防犯に関すること
 10-1開口部の侵入防止対策
   各階・各区分ごとに評価

★土地調査から企画設計まで

家を買いたい、或いは建てたいと思って、敷地を購入或いは購入するめどが立ったら、設計事務所、つまり umaco systemte建築設計室へご連絡下さい。

敷地には、都市計画法、建築基準法の他、さまざまな法律により規制がかかっており、それらをクリアしつつ、その規制にかからないように設計を行う必要があります。

不動産に関わることですが、土地を購入する時点から、気をつけなければならない点もあります。

法律により、建築が建てれない敷地があったり、求める用途(例えば、「住宅」)の建築が建てれない敷地があったりします。

例を上げると、「建物はそれを建築する敷地が建築基準法で規定されている道路に2m以上の長さで接していないと、建築することができない」などです。
その調査をおこたると、土地を購入したものの、建築不可であったりするケースもあるので、非常に重要です。

ところで
建築行為には
・企画設計(1フェーズ)★
基本設計(2フェーズ)
実施設計(3フェーズ)
施  工(4フェーズ)
という段階があります。

企画設計(1フェーズ)という段階で、建築主様の要望を受けた上で、おおよその法律規定を満足し、どれぐらいの大きさ(ボリューム)の建物が建てれるか、どういったプランにするかなどの基本的な部分の設計を行い、粗概算を行います。この部分が、設計を行う上で、最も重要な部分です。

企画設計の段階では、ケースによっては、上記であげた計画地(購入予定地)の調査も合わせて行います。


  3Dによるボリューム検討

当社は技術情報により、登録性とさせていただいてますので、
メール登録により、次の閲覧に進むことができます。

★企画設計から基本設計まで

企画設計(1フェーズ)で、おおよその計画がまとまれば、キックオフです。

企画設計で作成したモデリングデータに詳しい仕様等の情報を入力して、基本設計図を作成します。
基本設計図が確認申請図のベースになり、これをもって、役所協議に入ります。

企画設計(1フェーズ)
基本設計(2フェーズ)
詳細設計(3フェーズ)
施  工(4フェーズ)

基本設計図のおおよその図面を以下に示します。
BIMモデリングで作成している場合は、下記に設計図書に加えてパースを作成することができます。

基本設計図 成果図書
 (国土交通省告示98号より) 

★戸建木造住宅に係る成果図書
(1)総 合  
  ①仕様概要書  
  ②仕上概要表  
  ③配置図  
  ④平面図(各階)  
  ⑤断面図  
  ⑥立面図  
  ⑦工事費概算書

(2)構 造  
  ①仕様概要書  
  ②工事費概算書

(3)設 備  
  ①仕様概要書  
  ②設備位置図(電気、給排水衛生及び空調換気)  
  ③工事費概要書

(注)
1.建築物の計画に応じ、作成されない図書がある場合がある。
2.(1)~(3)までに掲げる成果図書に記載すべき事項をこれらの成果図書のうち他の成果図書に記載する場合がある。
3.「総合」とは、建築物の意匠に関する設計並びに意匠、構造及び設備に関する設計をとりまとめる設計を、「構造」とは、建築物の構造に関する設計を、「設備」とは建築物の設備に関する設計をいう。
4.(2)及び(3)に掲げる成果図書は、(1)に掲げる成果図書に含まれる場合がある。

★戸建木造住宅以外の建築物に係る成果図書

(1)総 合  
  ①計画説明書  
  ②仕様概要書  
  ③仕上概要表  
  ④面積表及び求積図  
  ⑤敷地案内図  
  ⑥配置図  
  ⑦平面図(各階)  
  ⑧断面図  
  ⑨立面図  
  ⑩工事費概算書

(2)構 造  
  ①構造計画説明書  
  ②構造設計概要書  
  ③工事費概算書

(3)設 備  
 ⅰ)電気設備   
  ①電気設備計画説明書   
  ②電気設備設計概要書   
  ③工事費概要書   
  ④各種技術資料  
 ⅱ)給排水衛生設備   
  ①給排水衛生設備計画説明書   
  ②給排水衛生設備設計概要書   
  ③工事費概算書   
  ④各種技術資料  
 ⅲ)空調換気設備   
  ①空調換気設備計画説明書   
  ②空調換気設備設計概要書   
  ③工事費概算書   
  ④各種技術資料  
 ⅳ)昇降機等   
  ①昇降機等計画説明書   
  ②昇降機等設計概要書   
  ③工事費概算書   
  ④各種技術資料

(注)
1.建築物の計画に応じ、作成されない図書がある場合がある。
2.(1)~(3)までに掲げる成果図書に記載すべき事項をこれらの成果図書のうち他の成果図書に記載する場合がある。
3.「総合」とは、建築物の意匠に関する設計並びに意匠、構造及び設備に関する設計をとりまとめる設計を、「構造」とは、建築物の構造に関する設計を、「設備」とは建築物の設備に関する設計をいう。
4.(2)及び(3)に掲げる成果図書は、(1)に掲げる成果図書に含まれる場合がある。
5.「昇降機等」には、機械式駐車場を含む。
6.「計画説明書」には、設計主旨及び設計概要に関する記載を含む。
7.「設計概要書」には、仕様概要及び計画図に関する記載を含む。