マンション内覧会 立会いサービス

umaco systemsの「新築マンション内覧会立会い・同行」

マンションを得意とする設計事務所での設計・監理による経験、ゼネコンでのマンションの設計・監理の経験よる経験、また、客観的な立場からご購入者様のご契約物件についての内覧会への立会い・同行するサービスを行なっています。

Casa Mila バルセロナ 世界遺産の賃貸マンション(画像はWikipediaから)

詳しい内容は、メールをいただければ、ご案内をお送り致します。
mail:マンション内覧会立会の件

よろしくお願いいたします。

※現在、私が設計・監理に関わっている物件の場合はお受けできませんので、その際はご容赦願います。

これから家を建てる方、分譲・賃貸住宅オーナーの方へ

住宅性能表示制度というのをご存知でしょうか?

住宅性能表示制度とは、「住宅の品質確保の促進等に関する法律」にもとづいて、平成12年10月にスタートした制度です。

住宅性能表示制度は任意の制度です。

住宅性能表示制度は義務づけを伴うものではなく、共通ルールに基づいて性能を表示するか、第三者機関に評価を依頼するかどうかは、住宅を取得しようとる建築主の方や、住宅を作成する工務店の方、販売者などの任意の選択に委ねられます。

2つの共通ルールが定められています。

法律にもとづいて、住宅の性能を表示するための共通ルールとして日本住宅性能表示基準が、また、住宅の性能の評価の方法として評価方法基準が定められています。

あなたの住まいの性能チェック

住宅性能表示制度が、あなたの安心をサポートします。

①第三者機関の評価が受けられます。

客観的な評価を実施する第三者機関が「登録住宅性能機関」として登録されています。登録住宅性能評価機関は、申請に基づき、評価方法基準に従って住宅の性能評価を行い、その結果を住宅性能評価書として交付します。

住宅性能評価書には、設計図書の段階の評価結果をまとめた「設計住宅性能評価書」と、施工段階と完成段階の検査を経た評価結果をまとめた「建設住宅性能評価書」との2種類があり、それそれ法律のもとづくマークが表示されます。

②住宅性能評価書の内容を契約に活かせます。

登録住宅性能評価機関が交付した住宅性能評価書やその写しを、新築住宅の請負契約書や販売契約書に添付すると、住宅性能評価書の記載内容が契約されたものとみなされます。

・注文住宅の場合、設計が終わった段階で、設計住宅性能評価書の内容を請負契約に反映することができます。つまり、表示された品質を確保するということが担保されることになります。

・完成前分譲住宅の場合、設計住宅性能評価書の内容を売買契約に反映することができます。

・建売分譲住宅の場合、建設住宅性能評価書の内容を売買契約に反映することができます。

※設計住宅性能評価書と建設住宅性能評価書の内容は、原則として同じ品質になるもので、施工段階でやむをえず品質の等級が下がってしまうことも考えられますが、私の今までの経験上はありません。

そうならないように、工務店や建築工事監理者が十分に現場管理及び監理を行う必要があります。

③円滑、迅速で、専門的な紛争処理が受けられます。

建設住宅性能評価書が交付された住宅については、指定住宅紛争処理機関(各地の弁護士会)に紛争処理を申請することができます。

指定住宅紛争処理機関は、裁判によらず住宅の紛争を円滑・迅速に処理するための機関でし。建設住宅性能評価書が交付された住宅の紛争であれば、評価書の内容だけでなく、請負契約・売買契約に関する当事者間のすべての紛争の処理を扱います。

紛争処理手数料は1事件あたり1万円です。

④日本住宅性能表示基準のポイント

1) 日本住宅性能表示基準は10区分・33項目(令和5年8月現在)から成り立っています。

 ① 構造の安定に関すること

 ② 火災時の安全に関すること

 ③ 劣化の軽減に関すること

 ④ 維持管理への配慮に関すること

 ⑤ 温熱環境に関すること

 ⑥ 空気環境に関すること

 ⑦ 光・視環境に関すること

 ⑧ 音環境に関すること

 ⑨ 高齢者等への配慮に関すること

 ⑩ 防犯に関すること

こうした項目は、次にような考え方にもとづいて設定されました。

・評価のための技術が確立され、広く利用できること

・設計段階で評価が可能なものとすること

・外見からでは容易に判断しにくい事項を優先すること

・住居者が容易に変更できる設備機器などは原則ておして対象としない

・客観的な評価が難しい事項は対象としない

2)性能表示項目にはそれぞれ適用範囲があります

基準は、新築住宅を適用対象としています。既存住宅については、限定的に対象可能な項目があります。また、性能表示項目の中には、一戸建ての住宅には適用されず共同住宅等のみに適用されるものや、特定の地域のみ適用されるものもあります。

3)表示される等級や数値などの意味

性能表示項目は、等級や数値など表示されます。等級は大きいほど性能が高いことを表すように設定されていますが、性能の高いことがただちにどの居住者にとっても最適なものになるとは限りません。自らのライフスタイル、工事費、地域の気候・風土、デザインや使い勝手など、基準の対象となっていない個別の事情などを考え合わせて、性能の最適な組み合わせを選択することが大切です。内容を十分に吟味しないで、等級が高いものや数値のよいものだけをむやみに選択したり、要求したりすることが合理的とは限りません。

4) 性能表示項目間でトレードオフの関係にある場合があります

トレードオフの関係とは、ある性能表示項目について性能を高めると、他に性能表示項目について性能が悪くなるといった関係をいいます。このような点についても配慮して合理的な性能の組み合わせを選択する必要があります。

5)表示される等級や数値などは、設計段階で予測できる範囲内のものです

住宅の性能は、さまざまな要因によって予測の難しいものもありますので、住宅全体の性能を直接の対象とするのではなく、住宅のうち特定の部分の性能や、具体的な対策の程度に置き換えて、基準を設定している場合があります。

表示される等級や数値などは、このようにして設定して評価方法基準に従って評価された結果であり、この範囲に加えて何か特別な約束、例えば居住者の実感や実測結果の程度について保証を行うものではありません。

6) 評価方法基準では維持管理や気象の条件等に一定の前提を置いています、

住宅の性能は、地域の環境や住まい方、維持管理の仕方によって大きく影響を受けます。これらの影響を排除したり、評価の段階で把握したりすことこは難しい面があります。そこで、評価方法基準では、標準的な気候条件や一般に行われる維持管理条件などを想定して、何らかの前提を設けている場合があります。

7) 住宅の構造種別により評価方法を区分して設定している場合があります。

住宅の構造種別は、大きく分けて、鉄筋コンクリート造、鉄骨造、木造などといった構造種別があります。性能表示項目や表示の方法は、住宅の構造種別によらず共通のものを設定していますが、評価方法基準では、構造種別ごとに異なる材料の特性を踏まえた、各々にふさわしい方法を採用している場合があります。

8) 建築基準法の規制内容と関連のある性能表示項目があります。

住宅性能表示制度の性能表示項目には、建築物の最低限の水準を定める建築基準法の規制内容と重複する項目と、独自に定める項目とがあります。建築基準法に定める基準にのみ適合するものについては、「等級1」の評価を受けることになります。

9) 住宅の性能は、時間とともに変化します。

住宅の性能は、完成した時点から、時間とともに変化します。このような変化が進む速さや程度を正確に予測することは困難です。評価方法基準により評価された内容の多くは、あくまでも、評価を行った時点(完成段階)のものである、このような経年変化の影響を考慮したものではありません。

⑤登録住宅性能評価機関の行う性能評価のポイント

1) 建築基準法の基準に適合しない住宅は、評価の対象にはなりません。

建築基準法で定める基準を下回る住宅については、違法と考えられるので、住宅性能評価書は交付されません。

確認申請書と性能評価申請を同時に申請してどちらも審査中であっても、確認済証が交付されなければ、設計性能評価書は発行されません。

また、建築基準法により工事の完了時に検査済証の交付を受けることが義務付けられている住宅でありながら交付を受けていないものは、建設住宅性能評価書をの交付を受けることができません。

2)住宅性能評価のコスト

登録住宅性能評価機関が行う性能評価は、住宅の規模や特性によって一律ではありません。

登録住宅性能評価機関の評価料金は機関が独自に設定していますが、その審査機関で行われる審査費用(建設評価の場合は数回の現場検査含む)と、住宅性能評価申請書(設計及び建設)を作成する費用が発生します。

設計事務所や工務店の見積費の中に含まれている場合もありますが、いずれも、建築主の負担となります。

3) 現場にける検査の時間、回数

登録住宅性能評価機関が行う、現場検査は3階建て以下の住宅の場合、原則として4回あります。4階建て以上の住宅の場合は、階数に応じて検査の回数が増えます。

4) 検査は工事の記録書類及び記録写真の確認、現地実物の検査を併用します。

登録住宅性能評価機関は、検査の時期までに行われた工事の内容を、施工の管理を行う責任者などが作成する工事報告書や記録書類及び写真を確認するとともに、現地にて実物の目視、検測などによって検査をいます。


設計事務所、工務店などで作成された設計図から設計性能評価申請書類の作成、及び性能評価申請用設計図書に記載すべき内容のアドバイスをする業務を行っています。

詳しい内容は、メールをいただければ、ご案内をお送り致します。
mail:住宅性能評価業務の件
よろしくお願いいたします。

誰でもできるわが家の耐震診断

先日、関東エリアで、中学時代からの友人どもが飲み会をしていたようで、私は残業中で、電話がかかってきたのですが、近況の話のついでに、「耐震診断をお願いしたい」という話がありました。

遠方ということもあり、とりあえずは自分でしてみたら?といって下記のサイト「誰でもできるわが家の耐震診断」を紹介しました。ある程度は、自分でもできますので、地震に対する策で不安に思っておられる方は、試してみてはいかがでしょうか。
これは、国土交通省住宅局監修の上、一般財団法人 日本建築防災協会により作成されたものです。

誰でもできるわが家の耐震診断
https://www.kenchiku-bosai.or.jp/taishin_portal/daredemo_sp/

診断の結果、足りない部分については、耐震補強工事が必要となりますが、近くの工務店に診断の結果を示してお願いすれば、簡単にできる補強工事もあります。

最近、地震に関する情報が多くなってきていますが、日本に住む以上は、地震とうまく付き合って行かねばなりません。少しでも、不安を解消できればと思います。

吉備町役場

和歌山県有田市にある鉄骨ファブリケーターへ鉄骨製品検査にいったときに、そこのファブの方に案内していただきました。

吉備町役場

和歌山県有田市吉備町にある吉備町の役場です。
竣工は、1995年3月で、設計は建築家の黒川紀章氏です。

モチーフはきっと有田みかんでしょう☺️

設  計:黒川紀章
施  工:竹中工務店
竣  工:1995年3月
建築面積:981.37m2延床面積:1839.68m2
鉄筋コンクリート造地上2階建、地下1階
外壁:
化粧型枠コンクリート打ち放し、撥水剤

設計料について

設計事務所に依頼する場合の相場は、費用のおよそ10%~15%だと言われています。
一般的には、1000万円あたり100~150万円程度の設計料になります。

一方、工務店やハウスメーカーでの設計料の相場では、全体工事費の2~5%といわれており、1000万円あたり 20万~50万円ぐらいになります。

このことより、設計事務所に設計を依頼すると高いと思われがちですが、高すぎるということはありません。工務店やハウスメーカーではいくつか規定された設計パターンがあり、そのパターンに当てはめることで設計料を安く抑えています。

そのため、設計やデザインに融通が効かなく、いろいろこだわると、かえって費用がかかり、逆に高くなってしまいます。

住環境や設計にこだわりがない場合は、工務店またはハウスメーカーへの依頼がいいかもしれませんが、自分たちがずっと住み続ける家であるので、できるだけ自分たちの好きなようにこだわりたいというのが人情だと思います。

設計事務所の場合は、1から意見を取り入れてデザインするので、強いこだわりを持ち、気に入ったデザインで設計された自宅を獲得することができ、何十年たっても満足できる住宅になると思います。デメリットといえば、全てを1からデザインするため、家が完成するまでにとても時間がかかってしまうといことです。できる限り早く家を建てたい方は、工務店やハウスメーカーに依頼する方がいいと言えるでしょう。

設計料金について

設計監理料は総工事金額によって変わる事と、また建物の難易度、諸条件によって若干変わりますので、その都度ご相談の上決定していますが、当社に場合は目安として10%程度と考えていただければと思います。

設計・監理料は工事金額からの料率表で決定しています。
規模が 大きいマンションやビルなどは10%以下になります。

監理と施工の役割分担を明確にするメリット

設計段階でどれだけ理想的な図面を描いても、図面だけでは伝わらないことも多いため、それを工事現場に伝達するのも重要な業務のひとつです。その業務のことを、工事監理といいます。

監理の主な仕事は、図面どおりの建物が建築されているがを確認することです。それには、性能や品質などを含まれます。手抜き工事を防ぐことができます。

また、監理業務は設計者が行うのが望ましいといえます。設計内容や設計意図を充分に理解している本人だからです。(ハウスメーカーは役割が分断され、設計は設計、工事部は工事部で部署ごとに分かれていることが多い)

他方で「設計」と「施工」はしっかり分けることによって、役割分担がはっきりしますので、最近話題の欠陥住宅や 手抜き工事を防ぎ、しっかりとした予算管理と工事監理を期待できるというのメリットがあります。(逆にハウスメーカーはここは分かれていない)

設計料だけで判断するのではなく、総工事費として判断ください。

設計・監理料に含まれないもの

・ 建築確認申請手続に関する業務報酬。(延べ床面積に応じ変わってきます。)
・ 建築確認手数料、完了検査手数料(各行政庁への公納金)
・ 地質調査費用 (比較的安価な調査方法をアドバイスいたします)
・消費税

※相談料は無料となっておりますので、お気軽にご相談ください。 また遠隔地にお住いで弊社に設計ご希望の方は、ご相談で 監理料を除いた設計契約も可能ですので、ご相談ください。

建物が鉄筋コンクリート造、鉄骨造、木造3階建ての場合は別途構造計算料が加算されます。


ユーソニアン・オートマチック

たいていの人たちは、建物をたてるときには資金に制限があります。

その制限の中で夢を描いて、建築家とともに四苦八苦することになります。

フランクロイド・ライトという巨匠の建築家であってもそうです。

資金に限りある若夫婦が、当時ライトがすすめていた有機的建築の原則に則った家を建てるにはどうすればいいか、とよく質問を受け、たどりついたのが、「ユーソニアン・オートマチック」です。

オートマチックというと、一般的には自動的という意味ですが、ライトがこの言葉を使った時代背景から考えると、「自分でつくる」といった意味合いがあると考えられます。

建築費を下げる = 自分でつくる

に帰結したと言えます。

では、資金や手段が限られている場合に、どうやって自由への開放を感じる家を自分の手でつくるか、ということが問題です。

フランク・ロイド・ライトのその解答が、自然なるコンクリートブロック住宅「ユーソニアン・オートマチック」と名付けた住宅です。

このユーソニアン住宅により、建設費を押し上げる原因の人件費を不要にできるという考えです。

ライトのコンクリートブロック住宅の初期のバージョンは、1921年から1924年にかけて、ロサンゼルスに建てられ、さらにアリゾナ・ビルトモア・ホテルのコテージでも採用されています。

その最初の作品が、パサデナのミラード邸、ロサンゼルスのストーラー邸およびフリーマン邸、エニス邸です。

ブロック住宅の最初の試み ストーラー邸(1923)
テキスタイルタイル・コンクリート・ブロック(張りかこみ):エニス邸(1923)外観正面
エニス邸(1923)外観
エニス邸のコンクリートブロック

少し間をおいて、アリゾナ州フェニックス、エーデルマンのコテージ、ピーパーのコテージがあります。

 エーデルマン邸(1953)外観(南立面)
外観(塀ごしに北側を見る)南立面 (左に居間、右に客室)
中庭(左手に居間、ガラスのはめられたコンクリートブロックのスクリーンが、廊下に沿って右手の客用ウィングへとつづく
ベンジャミン・エーデルマン邸
アリゾナ州フェニックス
1953年のコスト 25,000ドル(現在:約2500万円)

低価格の家を建てるには、お金のかかる熟練作業をできるだけ排除することが必要です。をのため、ユーソニアン・オートマチック住宅では、躯体はプレキャスト・コンクリートのブロックをつなぎ合わせてつくられています。

ひとつのブロックはや 1×2 フィート(約30cm ×60cm)で、外周には溝が切られていて、この連結部に小径の鉄筋を水平・鉛直に入れて、積み上げていきます。ブロックの製造も積み上げ工事も、建築主が自分ででき、縦の鉄筋を上に突き出すように差し込み、溝にモルタルを流し込みながら、一段一段と積んでいく、といった手順です。

日本のコンクリートブロック住宅は、コンクリートブロックは規格に適合した既製品の限られたものものを用いて、施工会社に依頼依頼して作ってもらうことがほとんどなので、なかなか夢のような話になりますが、セルフビルドをめざす方や、価格低減の参考のために紹介したいと思います。

ユーソニアン・オートマチックの建設法

ユーソニアン・オートマチックは、形、パターン、適用部位についてあらゆる変調を受け入れる応用性の高い建築システムです。

建設に使うブロックは、現場で製造できます。木や金属でできた型枠に、混ぜたコンクリートを流し込んで製作します。型枠側が建物の表面になり(この面に模様をつけても良いです)反対側は壁の内側に隠れます。軽量化のため、裏側はふつうは肉抜きにされます。

ブロックの四周には半円断面の溝が(鉛直・水平)走り、鉄筋が入るようになっています。ブロックを積むには、ブロック同士のエッジをピッタリと合わせて、円筒形の空洞ができるようにします。そこに鉛筆ほどの太さの鉄筋をセットし、ポルトランドセメントのモルタルを詰めます。

壁は一重壁(ブロック壁を一層だけたてたもの)にも、二重にもできます。一重壁の場合は、肉抜きは室内側に向けますが、二重壁の場合は肉抜き面同士を対向させて二層にします。あいだの隙間は断熱のための空気層になります。

通常の壁の積み上げ方法は、次の通りです。

①差し筋と呼ばれる鉛直の鉄筋を、ブロック単位の間隔に合うように床スラブや基礎に打ち込んでおく。これがブロックの壁体を固定する役割を果たすので精度が重要です。

②差し筋の間にブロックをはめ込んでいく。ブロック連結部の円筒形の空洞に鉛直の鉄筋が入るようにする。

③セメント1:砂2の割合で混ぜたモルタルを連結部の鉛直の穴と水平の溝に流し込む。すべての継ぎ目が緊結され、剛に一体化される。

AIR SPACE:空気層
GROUT POURED HER E:ここにモルタルを流し込む
CORNER BLOCK:役物ブロック
COFFERING:肉抜き
TIR RODS:つなぎ鉄筋
REINFORCING RODS: 補強筋
FLOOR SLAB:床スラブ

④さらに積み上げるときに、鉄筋を水平の溝に寝かせる。

⑤設計が二重壁の場合は、亜鉛めっきを施した二重壁専用のU字型つなぎ筋(タイロッド)を表裏それぞれの連結部に差し込んで、ブロック壁同士を緊結する。

⑥モルタルを流し込んだ溝の上に、次の段のブロックを積む

⑦次の段を積み終わったら、鉛直のジョイントに再びモルタルを流し込む。先ほどの水平の連結筋にもモルタルが行きわたる。この作業を、くり返す。

DOUBLE OUTSIDE WALL :二重壁の外側の壁
SINGLE BLOCK:ブロック単体
VERTICAL SECTION:鉛直方向の断面
INSIDE FACE:内側の表面
OUTSIDE FACE:外側の表面
HORIZONTAL SECTION:水平方向の断面
AIR SPACE:空気層

ブロックのパターン、デザイン、サイズは様々に変更できます。うまく工夫すれば、ブロックにパターン状に穴を開け、ガラスをはめ込んでおくこともできます。この穴あきブロックを積み上げれば、コンクリート、鉄、ガラスでできた半透明の格子スクリーンにもなります。

隅の部分には特別な役物ブロックを使用します。二重壁の場合には内側用と外側用に二種類が必要です。一軒の家を建てるには、ふつう九種類のブロックが必要になりますが、ほとんどは同じ型枠を転用しながら製造できます。天井の場合も同じブロックを使って水平の天井・屋根スラブを打設します。鉄筋も同じものを使って、鉄筋コンクリートのスラブにして、その上にルーフィングを敷き込みます。

ユーソニアン・オートマチックでは、熟練作業はすべて不要になっています。給排水管、暖房設備、電気設備などは、すべてあらかじめ工場制作されているからです。すべての設備システムは工場生産のパッケージ製品として現場にやってきます。ブロック建設の最中にいくつかの単純な接続を行うだけで簡単に設置できます。

ライト曰く、
「資金に恵まれていなくとも、何がしかの知性と自らの労働を元手にして、我らが民主主義のもとに生きる自由人たるにふさわしい、有機的建築の原則に沿った自然の家が手に入れられるようになった。この家は、私たちの社会の中でひとつの要素としてはたらき、自由な社会たるべき「住宅地」をつくり上げる建築的手段となる。すべて完璧に標準化されながらも、民主主義的な多様性の理念(個人の主体性)を確立しているからこそできることだ。本当の建築が生まれようとしている。このシステムに従うことは、個性を捨てさることを意味しない。むしろそれによって想像力を発展し、各々の目的にかなった住まいを自由に建設できるのだ。実に多様な建物が融通無碍の柔軟性から生まれている。こうした建物が集まっても、決して優雅さや望むべき個性が失われることはない。」
といっています。

究極の建設費削減を行うながら、自由をもとり戻す。日本国内で、どれだけ可能かはわかりませんが、試してみたいものです。

※日本では、公共建築工事標準仕様書に基づいて施工する工事においては、コンクリートブロックの規格はJIS A 5406に適合することが求められるので、注意が必要です。

京都市 歴史遺産型美観地区(一般地区)

京都市は景観条例によりさまざまな地区を指定して、それぞれの地域に、それぞれの意匠的な規制を設けています。

ここでは、そのうちの歴史遺産型美観地区(一般地区)における住宅について考察したいと思います。

歴史遺産型美観地区(一般地区)の規制

【住宅等の低層建築物】

屋根
・特定勾配(軒の出は60㎝以上)
 屋上緑化等により良好であると認めれらればなくても良い。
・原則として、塔屋等は設けない。

屋根材料等
・日本瓦(いぶし銀)、銅板(素材色又や緑青色)又はこれらと同等の風情を有するもの。

軒庇
・道路に面する1、2階の外壁には特定勾配の軒庇(軒の出は60㎝以上)を設ける。

外壁等
・道路に面する外壁は、歴史的な街並みや伝統的な建造物と調和する形態意匠とする。又、その外壁は、街並み景観に配慮されたものとする。

・道路に面する3階の外壁面は、1階の外壁面より90㎝以上後退する。ただし、道路に面する外壁面を道路から十分に後退させ、かつ、道路に沿って門又は塀等を設置することにより街並みに配慮された場合は、この限りではない。

色彩
・歴史的街並みと調和する色彩とする。

その他
・道路や河川に面し、駐車場等の解放された空地を設ける場合は、周囲の景観と調和した門又は塀等を設置する。

【 全体的考察 】

京都市の街並みは道路側を正面とし重視する特徴的な街並みなので、それを十分に意識したものとし、街路の壁面線に注意し原則として平入りとする。
道路に面する1階の軒ひさし下端、若しく塀等の高さは、2100mmとしたいです。
日本人に身体的感覚としては、落ち着きのある高さです。

屋根
街並み形成のためには他の建物と勾配を合わせる方針としたいですが、特定勾配の範囲でできるだけ勾配を小さくしたいです。
京都市の緯度は、おおよそ北緯35°であるので、
 夏至日の太陽高度 78.5°
 冬至日の太陽高度 31.5°
及び、外部建具の高さを考慮して軒の出を決定する。

屋根材料等
いぶし銀の日本瓦は、それはそれで、風情もありよいものですが、現代的感覚からすると重々しいものとなり、耐震性においても、コスト的にも不利となるので、同等となる風情のあるもので検討したいと思います。

軒庇及び外壁等
基本的には2階建とし、1階部分の軒庇と大屋根の軒の出で対処したいと思いますが、場合によっては90㎝以上外壁後退を2階部分にも設け、道路側への圧迫感を解消したいと思います。

バランスにもよりますが、1階の庇の出は大屋根の庇よりも深くしたいです。

色彩
色彩は、可能な限り着色のない自然素材を選定したいですが、塗装する場合は、色相に応じて、彩度の規定が細かく規定されています。その中でも、できるだけ街並みが暗くならないように配慮したいと思います。

その他
街並みの状況にもよりますが、可能であれば、塀や植栽生垣及び門を設けて、街並みに配慮し防犯性も高めたいと思います。

  

京都の伝統的建造物群保存地区

  
          京都市祇園新橋

文化庁が定める伝統的建造物群保存地区という地区があります。
これは昭和50年の文化財保護法の改正により発足し、城下町、宿場町、門前町など全国的に残っている街並みを保存を図るためにされたもので、
京都においても、以下のエリアが選定されています。
(これは、市町村が申出を行い、国が指定するものです。)

55 京都市上賀茂(社家町)
56 京都市産寧坂(門前町)
57 京都市祇園新橋(茶屋町)
58 京都市嵯峨鳥居本(門前町)
59 南丹市美山町北(山村集落)
60 伊根町伊根浦(漁村)
61 与謝野町加悦(製織町)

 
       伊根町伊根浦の連続舟屋

令和元年12月の時点で、全国で120地区が指定されて、それぞれの地域の成り立ちも違いますが、その特色もさまざまです。

そこに住む人の思いとかけ離れて指定された感のあるものや、テーマパーク的になっている感のものもありますが、いづれにしても厳しい基準をクリアした上で指定されており、我が国ではめずらしい街並み一体としてのデザインの保存です。

わざわざこういった制度ができたのは、明治期以降若しくは戦後の建築の制度により、街並みがあまりにも乱雑になってきたためで、景観法という法律もできたものの、都市計画法(都市という概念を日本的にどう考えるがか)が日本人の歴史思想の観点から作成されていないことに起因するものだと思います。

鉄筋コンクリート造や鉄骨造などによる新建築を建築する場合であっても、日本の文化、品格を踏襲し、発展していくべき建築に取り組みたいと思います。

(ヘリテージマネージャー)

マンションリノベーション

マンションのリノベーションをするに当たって、プラン検討や仕上材の選択、ユニットバス、全面化粧台、キッチンシンクやトイレといった設備機器の選択と同時に断熱性能等、性能面での検討も大切です。特に、築古の場合はなおさらです。

住宅の性能には、大きく分けて、10項目あります。

 ①耐震性能

 ②避難の安全

 ③ 劣化の軽減

 ④維持管理

 ⑤断熱性能

 ⑥空気環境

 ⑦ 光視環境

 ⑧ 音環境に関すること

 ⑨ 高齢者配慮

 ⑩防犯に関する事

これらの10項目は、品確法の住宅性能表示によるもので、詳しくはこちらに記載していますが、マンションのひとつの戸内のリノベーションに関しては、構造躯体や外部建具には手を加えることができないのですべてが当てはめることができませんが、検討すべきカテゴリーとしては有用であると思います。

①耐震性能
耐震性能は建物全体に関わるものなのでリノベーションのしようがありませんので、対象の物件を購入する際には気をつけたいものです。

1981年(昭和56年)6月1日以降の新耐震基準にて建築確認済証を取得しているものであれば安心です。

旧耐震基準は震度5強レベルで倒壊はしないですか、破損したとしても補修することにより生活することは可能です。

新耐震基準で設計されたものは、1995年の阪神淡路大震災で震度7レベルまで耐え得ることが証明されています。

②避難の安全に関して

マンションにはなんらかのタイプの火災警報機や消防設備が設置されていて共用部分に関しては、さわりようがありませんが、住戸内は対処することができます。

住戸内が小部屋に区画されていたり、迷路のようになっていると、万が一、他の住戸で火災が発生した場合、自分の住戸から脱出するのち時間がかかってしまいます。極端な例を上げると、避難上で最も有効であるのは、ワンルームとする事です。玄関扉やバルコニーへと直接避難することができます。

また、比較的新しいマンションの場合は、既存の住戸の居室毎に煙感知器等が設置されている場合があります。それらの感知器等は共同住宅用火災警報器に接続されているので、リノベーションのときは、再度、プランに合わせて設置し直す必要があります。照明器具や梁型からの離かく距離が決まっているので正しく計画しましょう。

③劣化の軽減に関しては構造躯体に関することなので、リノベーションしようがありません。

④維持管理について

共用配管については、手の施しようがありませんが、専用配管については、自分で掃除しやすように計画すればよいと思います。

主に、水漏れしやすい配管の接続部は点検口を設けるか、収納内におさめるか、或いはお思い切って露出配管としたデザインとするかです。

⑤断熱性能

築古のマンションの場合、断熱性能の確保が重要です。

従前のマンションの断熱方式にもよりますが、鉄筋コンクリートのマンションでは、一般的には内断熱工法で現場発泡の断熱材を吹いてる場合が多いです。外断熱で計画されているのは稀です。断熱性能とはこの断熱材の厚さ(一般的には外部に接する部分はぐるりと囲みます)と外部建具の構成と換気による熱損失によりトータルに計算します。

リノベーションのときは、内断熱の施工は可能なので、必要な断熱性能に対する、断熱材の種類とその厚さを確保して断熱性能を高めておく必要があります。

アルミサッシや玄関ドア等の部分は取替えができませんが、カーテンや障子、遮光フィルム等で対応できます。

換気に関しては、外壁に躯体貫通で開けられているスリーブは変更できませんが、内部の機器については変更可能なので、新しいプランにあった換気設備や空調設備を設置します。

⑥空気環境に関して

新鮮な空気は人間にとって大切なものです。近年の建築の考え方は、断熱性能を高め、気密性を高くするため室内空気がとどこおりがちなので、充分に換気できる設備で対応するというものです。

ただし、換気しすぎると断熱負荷になるので適切な換気量の換気設備をつける必要があります。

もちろん、アルミサッシの開口部を解放する事によって換気することができれば、それに勝るものはありません。

また、新建材には接着剤等でホルムアルデヒドといった人体に有害なものも含まれるので、自然建材を用いるほうがよいですが、新建材を使用せざるを得ない場合でも、ホルムアルデヒドの発散量の少ないものを採用し、施工直後から一定の期間は充分に努めて換気をする必要があります。

⑦光視環境

必要な光の度合いは人によって、年齢によって違いますが、基本的には日中は自然光で採光して足りない分を照明で補い、夜間は全般照明と局所照明によります。リノベーションの場合は、自然採光を取り入れる窓(開口部)が限定されているので、その窓をプランと上手く計画する必要があります。

また、窓は、さまざまなな機能があり、周囲の環境とも大きく関わりますが、光視環境に限っていうと、窓はその方位よって機能、役割をはたします。

北向の窓が有効な場合や、西向きや東向きの窓の特性や、南向きの窓の制御方法など・・・他の性能的要素とも多いに関係し、建築を計画する上で非常に重要なファクターなので、充分にかつ慎重にプランと調整する必要があります。

⑧音環境に関する事

集合住宅では、共同で生活するので、音の問題が発生することが多いです。自分の生活リズムやパターン、趣味などによるものが大きですが、リノベーションの場合も気をつけたいものです。

音の問題は、おおよそは床版(スラブ)や壁の厚さ、窓やドアの遮音性能で決まってきますが、仕上げ材や、部屋の配置計画でもある程度は解消できます。

⑨高齢者配慮に関すること

高齢者配慮に関することとは、品確法の住宅性能評価の評価項目として主に、段差、通路幅、内部の扉の幅、浴室や便所の大きさの規定されていますが、これらの評価項目を利用することによって、高齢者でなくも使いやすいものになるので、大いに計画に盛り込みたいものです。詳しくはこちら

⑩防犯に関する事

防犯に関する事は大きくは、建物全体に関わるものですが、住戸毎にも対応できるものもあります。玄関ドアの錠を防犯対策のもの、アルミサッシ等の外部建物に補助ロックを付ける等で対応しましょう。

週末住宅

ここで紹介するのは、坂倉竹之助氏の設計による週末住宅 (海の家)
です。もう、25年以上も前に建てられたものですが、自然への思いが大いに感じられてよい感じがします。場所は、神奈川県横須賀市。

寝室と寝室前のテラス。床は内外ともテラコッタタイル

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構造・工法
鉄筋コンクリート造、一部木造
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規模
地下1階、地上1階
建築面積 106.62 平米
延床面積 133.05 平米
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設計期間:1994.11 〜 1995.03
工事期間:1995.04 〜 1996.03
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海面にいちばん近いレベルにあるデッキから、
テラス下の物見スペースと居間・食堂方向をみる
テラスと屋上をつなぐ階段から海を見る。
屋上のサンデッキとリフレクティングプール
デッキ床面と水盤と眼下に広がる海面が一体のように感じられる空間が意図されている。
屋根伏図
1階平面図
立面図